昨年1月にジリオ島付近で座礁した豪華客船コスタ・コンコルディア号・・・。
今朝4時に1年8か月ぶりに真っ直ぐになったそうです。 昨日の朝から引き揚げ作業が始まり、19時間かかって、やっと水平状態に戻りました。
あれ?あの船、まだ撤去されていなかったんだ。なんて思われる方も多いかもしれません。もう、だいぶ前の話ですものね。撤去は、そう一筋縄にはいかない、大変な作業のようです。
作業工程の図解をみると、まず海底に台座を作るとなっています。これだけでも、相当時間がかかりそう。今は③の作業まで完了したようです。
来年春までには、完全に撤去が完了する予定だそうです。
実は、2週間ほど前、私はジリオ島を訪れて、この座礁した船を見てまいりました。なんというか、驚くばかりの光景でした。こんな大型船が、島の海岸ギリギリの所を通り過ぎようとしていたなんて、船長をはじめとする責任者は何を考えていたんだろうと、ただただ唖然としてしまいました。
ジリオ島って、とても美しい島なんです。船が座礁したことで、自然破壊も心配されていましたが、今のところ危険物も流れ出ていないようで、よかった。ようやく船も完全に撤去される目途が立ち、島の人たちも、一安心なんではないでしょうか。
でもね、この半分沈んだ船、この1年8か月間、逆に観光名所化していた気がします。私がジリオ島行きの船に乗ったとき、この座礁した船が見えてきた途端に、乗客がみんな甲板に出てきて、大騒ぎして船の写真を撮っていました。私も撮りましたけどね。(今度、また旅行の写真を載せます。)亡くなった方もいて、大変な事故でしたが、こんな船が半沈没した姿はやっぱり物珍しくて、わざわざ見に行った人も多いと思います。ジリオ島の観光産業も、このせいで大打撃を受けたということもなさそうです。
先日のニュースでは、5人の被告が司法取引が認められ、最長で2年10か月の禁固刑。船長は、まだ裁判中です。
ジリオ島に行く船の中で、コスタ・コンコルディア号で働いていたという人に会いました。「本当、この船長信じられないね」なんて私が言うと、彼は「これは船長だけの責任ではないよ。会社も船が島の近くを通過して客を喜ばせることをある程度黙認していたし、経費削減のために、船員に大した非常時の訓練もせず、最低の賃金でイタリア語もろくに話せない外国人をたくさん雇っていた。もちろん船長に大きな責任はあるけど、会社の経営者にも、大きな責任がある。組織そのものがなっていないんだよ。今でもお互いに責任を擦り付け合っているし。」と、言っていました。
・・・。なんだか、それって、この会社だけの話じゃなくて、イタリア社会全体的な問題のような気がします。
Googleマップの航空写真でジリオ島を見ると、しっかり船の座礁している姿が映っていました。船の大きさがよくよく分かります。
本当に、もうこんな事故が二度と起こらないように、心から祈ります。
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