2013年6月17日月曜日

ローマ公認ガイド(ライセンス・ガイド)

ローマ公認ガイドとは?という質問もよく受けるので、今日はガイドについてです。

ローマで観光ガイドを職業として行う場合、ローマ県の試験を受けて、「ローマ公認ガイド」の資格を取得する必要があります。

昨日、フォロ・ロマーノを案内してくれた友達は、ローマ公認ガイドです。写真は、ローマ県から発行された、彼女のガイド免許証。観光案内をする際、ガイドは、この免許証を携帯することを義務付けられています。

ラツィオ州の法律では、公認ガイド以外は、観光案内をしてはいけないことになっています。こう決められているのはいくつか理由があると思うのですが、まず第一に、知識のない自称ガイドから、旅行者を守るため。第二に、知識のない自称ガイドが溢れることで、優秀なガイドが仕事を奪われるのを防ぐため。第三に、おそらくガイドにきちんと税金を払わせるため。なのだと思います。

この公認ガイドの試験、すごく難しいらしいです。しかも、ローマ県が人数を調節していて、ガイドの数を増やしたいときのみ、不定期に試験が実施されるので、知識があって公認ガイドになりたくてもすぐに試験が受けられないという人も大勢います。

そんなわけで、公認ガイド免許証を持っていなくても、知識豊富な人もいます。公認ガイド並みに知識があるのに、法律上、ガイドとして働けないので、サブ・ガイドとしてがんばっている人もいます。逆に言えば、そんな難しい試験に受かったローマ公認ガイドのレベルは非常に高いともいえます。

さて、もし公認ガイド免許証なしで、ガイド業を行った場合、どうなるのかというと、摘発された場合、免許証なしのガイドは、1000~3000ユーロの罰金、お客さんの方も、この条件を知った上で免許なしのガイドを雇った場合、250~1000ユーロの罰金を科せられます。
とても厳しいですよね。

上記は、「観光ガイド」に関した決まりで、通訳やアテンダントは、また別の資格があるのですが、規制はほとんどされていません。また、これは職業として行った場合で、金銭の発生しない場合は問題ありません。(例えば、友達同士や家族同士で、知識のあるものが説明するなど)

よく、ヴァチカン博物館の入り口付近で、「ガイドします」といって、近寄ってくる人がいます。よく見ると、自作(?)の免許証らしきものを首からかけていて、驚かされます。ヴァチカンの中は、公認ガイドかどうかを抜き打ち検査する警察がいないので、ここにやってくるのでしょう。街中でお客を探している日本語ガイドはあまりいませんが(ほとんど英語)、自己判断でガイドをお願いするにしても、上記罰金の件等、ラツィオ州の決まりを心得ておいた方が良いと思います。


余談ですが、数年前、日本の皇太子様がローマへいらしたことがあります。その時、うちで配車のお仕事を頂いたのですが、皇太子様は旧アッピア街道付近を数時間観光されました。そのときの皇太子様のガイドは、「ローマ人の物語」等の著書で知られている塩野七生さんでした。これ以上望めないぐらいのスーパーガイドだわぁ!!!と思ってしまいました。ローマ観光をする前に、塩野七生さんのローマ人の物語シリーズ(長いのですが・・・)を読んでおくと、ローマの遺跡が本当に驚くほど何倍も何倍も感動的に見えると思います。お勧めです♪


にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へブログランキングに参加中。
ありがとうございます!

0 件のコメント:

コメントを投稿